『片瞳のうさぎ』


とても悲しかったの
悲しくて悲しくて涙が溢れてきた
瞳が真っ赤になるまで涙はとまらなかった
それでも、悲しさは消えない

とても寂しかったの
寂しくて寂しくて温もりを求めた
耳を澄まして誰かの気配を探し続けた
でも、寂しさは増すばかり

とっても嬉しかったの
嬉しくて嬉しくて瞳を見開いた
その光景を瞳に焼き付けるように見入った
なのに、残ったのは嬉しい気持ちだけ

見えない問いに
分からない問いに
考えて考えて出した答え
それは答えの出ない問いだということ

そして私は悟る
消え行く感情に対する思いを
残る思いに対する感情を

きっとこれからも望むのだろう
片瞳に注がれる真実
あなたから貰う思いを―――


出口を求めてあがき続けた
あがいてあがいてあがき続けているうちに
見えるモノまで見えなくなってしまった
まるで視界が半分に狭まったみたいに……

入り口を求めて彷徨い続けた
彷徨って彷徨って彷徨い続けているうちに
見えないモノが見えるようになってきた
まるで視界が倍にひらけたように……

見えてきたモノに
見えなくなったモノに
考えて考えて出した答え
それは答えを出すべきモノではないということ

そして私は知る
見えるモノの中にある見えない問いを
見えないモノの中にある見える答えを

きっとこれからも探すのだろう
片瞳を塞がれた真実
あなたに捧げる思いを―――


Since 2004/04/17



舞坂みなみさんのサイト『片瞳のうさぎ』をイメージして書いた品。
サイト一周年の記念品です。

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