『心象風景(真象封景)』


…漆黒の世界、闇、暗黒。
現在俺がたゆたっている世界。
この世界は、気持ち良い。
何も無いが故に、夢想すれば全てが叶う。
しかし、ソレは無意味。何も無い世界故に、誰もが何も望まない。
何も無いということは、何かを失うことが無いというコト。
ソレは安らぎ。何も奪われないという「ヤスラギ」。
だが、浮かび上がっていく感覚。
そう…この世界は夢。正確にはその一つ。
そして、別の夢へ。その世界は…誰もが望まぬ世界。
俺は全てを殺し尽くし、また全ては俺に殺されるためにある。
そこでの俺は、この世全ての悪(アンリ・マユ)。全てを殺し尽くし滅ぼす存在。
その世界には正義の味方など居ない。居たとしても、ソレは既に俺に殺されている。
滅ぼされる為に在るが故に、俺が死ぬまで滅ばない。なんて矛盾。
そう、俺では滅ぼせないのに俺に滅ぼされる為に在る世界。
何の感情も持っていないかのような「ヒトガタ」、「ケモノ」。ただ在るだけの「ショクブツ」、「タテモノ」。
滅ぼされる故に何も持たない。だが確実に「イキモノ」。殺される為の「ハリボテノイキモノ」。

それらを、殺す(壊す)。
殺す(壊す)。殺す(壊す)。殺す(こわす)。殺す(コワす)。ころす(コわす)。コロス(コワス)。コロす(壊す)。
コろす(壊す)。こロす(壊す)。殺ス(壊す)。コろス(壊す)。こロス(壊す)。殺す(こワス)。殺す(こわす)。

何の意味も無い破壊。殺戮。全ては無為。やがて、その世界が薄れていく。
闇の世界へ戻る…いや、その世界すら通り過ぎて、光の満ちる世界へと向かっていく。
目が覚めるのだ。そういう感覚に引き起こされる。ハカイを繰り返し磨耗した精神が歓喜をあげる。
だが、その次は一体どうなるのだろう。虚無の安らぎか、終わる事無き破壊か、それとも、どちらでもないのか。
既に磨耗した精神では思考すら叶わず、薄れていく。何も無くなっていく。自分さえも融けて消える。

願わくば───次の「セカイ」は意味ある世界でありますように。


作者:ハデス 様



ハデっちゃんからの頂き物です。
物書きさんなのですが、別世界に旅立っている人でもあります(笑)
一部壊れた描写もありますが、心の中にある混沌っぽくていい感じです。


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