『動詞09.ふれる』
悴む手にそっと息を吹きかける
吐息は一瞬だけ手に残り その後は冷たさだけが残る
失ったぬくもりが戻ることはなく 焦燥感の残る心が 寒さによってさらに冷たさを増していく
触れるほど近くにある優しさが 新たなぬくもりになるのはいつのことだろうか…
触れられぬほど遠くにいってしまった優しさが 思い出になるのはいつのことだろうか…
澄み切った夜空を見上げ 新たな吐息を吹きかける
まだ見ぬ春の訪れに思いを馳せ 今はただ一身に夜風を浴び続ける……
Since 2004/07/01