『動詞06.ほころぶ』

こんなはずじゃなかった…

こうなることを望んでいたわけじゃない
私には私の考えがあり
あなたにはあなたの考えがあった
ただそれだけだったのに…

あなたが涙を流し
その涙を見て始めて後悔する自分…
何度同じコトを思っただろう

私達は引くコトを知らなかった
そして学習するコトも知らなかった………

笑って欲しいのに
いつも泣かせてばかりいた
きっかけはほんの些細な意見の食い違い

私は夢見がちな現実主義者だった
あなたは現実的な理想主義者だった

ただそれだけの違いが
アノ頃の私達にはとても大きかった…

一筋の光が差した
いつも涙するあなたの口元が
ほんの少しだけほころんだの

その微笑をみて
私の口元も少しだけ緩んだ

でも、そうさせたのは私ではない
あなたの笑顔を引き出したのは新たに出会った人
重い空気を払拭するだけの力を持った人

その人は現実を見据える空想主義者だったのだ

私達は三人でバランスが取れている

アクセルになるあなたがいて
ハンドルを握る私がいて
ブレーキをかける人がいる

その関係が私にはとても心地よかった…

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